「株式会社ABC」と「(株)ABC」が別の会社として登録されている。
同じ取引先が2件ある。
ルックアップ元の製品名が「りんご」「リンゴ」「リンゴ」に分かれている。
kintone を使い込むほど、じわじわ重要な課題としてあがってくるのが、
マスタの重複と表記ブレ。
集計が合わない、ルックアップで引けない、などなど
気づいたときには手遅れなことも......。
今回は、キンコミに寄せられた実践的な投稿とコメントから、
マスタの重複・表記ブレとのつきあい方をまとめました!
⬛︎ 目次(お悩み一覧)
□ 重複禁止にしたいのに、できない事情がある...
□ そもそも、何をキーにすればいい?
□ マスタにない値が出てきて、結局手入力になってしまう
□ 表記がブレてる。この"超マスタ"、どう直す?
⬛︎ お悩み:重複禁止にしたいのに、できない事情がある...
顧客管理アプリでメールアドレスを「値の重複を禁止する」にしていたものの、
1社の複数担当者が共有アドレスを使っているケースが発生。
重複禁止が邪魔になって登録できない、というお悩みです。
▼ 元投稿はこちら
https://kincom.cybozu.co.jp/chats/bapdq8yuru5wdhrq
⬛︎ キンコミで出ていた工夫
▶︎ 重複禁止を外し、関連レコードで「気づける」ようにする(参考コメント① / 参考コメント②)
重複を弾くのをあきらめ、
同じメールアドレスのレコードを関連レコード一覧に表示するというアイデア。
登録しようとしたときに「もう似たのがあるよ」と目で気づける状態をつくる方法です。
プラグインなしで、ライトコースでも設定できるのがポイント。
相談者さんも最終的にこの形に落ち着き、
「1社の複数担当者が共有アドレスを使っている場合も、関連レコードに複数担当者が表示されるので視覚的にわかりやすい」
と、実践後のお声が寄せられました。
▶︎ 重複してもいい欄を、別に用意しておく(参考コメント)
重複禁止は残したまま、「サブメールアドレス」フィールドを別に設けるという運用も。
保存時に重複エラーが出たら、そちらに登録する。
一覧や関連レコードには、計算フィールドで「どちらか埋まっているほう」を表示させる。
ルールを緩めるのではなく、例外の行き先をあらかじめ決めておく考え方です。
▶︎ kintone に入れる前に、CSV で重複をつぶしておく(参考コメント)
運用例として、基幹システムから月1回 CSV を書き出し、
COUNTIF 関数で重複をチェックしてから kintone に取り込むという方法も寄せられていました。
重複していた取引先名には末尾に連番をつけて区別する、という方法。
7,000件規模でも回っている運用だそうです。
「重複は入口で止める」のか「入ってから見つける」のか。
自社がどちらの型なのかを決めておくと、設計がぶれにくくなりそうですね!
⬛︎ あわせてチェック📚
▶︎ 重複レコードを確認する方法(kintone ヘルプ)
重複禁止を設定できないときに、グラフ機能で重複レコードを洗い出す方法が載っています。
https://jp.cybozu.help/k/ja/trouble_shooting/app_qa/check_duplicate.html
⬛︎ お悩み:そもそも、何をキーにすればいい?
ルックアップの[コピー元のフィールド]に「会社名」が設定されているアプリがちらほら。
重複禁止にした「会社コード」を使ってほしいけれど、初心者にどこまで説明すべき?
というお悩みです。
▼ 元投稿はこちら
https://kincom.cybozu.co.jp/chats/3bmupieovl0krpxv
⬛︎ キンコミで出ていた工夫
▶︎ 「一生変わらない値」をキーにする(参考コメント)
社名は変わる可能性があるので、会社名をキーにすると、あとで困ってしまう性質があるもの。
コメントでは、ユーザーのレベルに合わせた3段階の案が寄せられていました。
- 電話番号を主キーにする(顧客を識別する情報として違和感が少ない)
- 法人番号やインボイス登録番号を主キーにする
- 自動採番プラグインで顧客番号を発番する
別の投稿でも、法人番号は住所や代表者名から検索でき、どんな状況でも必ず一意という点で
おすすめされていました。
▼ 関連する投稿
https://kincom.cybozu.co.jp/chats/bb4lkaczjhaedtsu
▶︎ 「コードは覚えられない問題」はプラグインで補う
ユニークなコードをキーにすると、「コードなんて一々覚えてられない」という現場の声が出てくることも。
そこで、コードを覚えなくても名前から引ける逆引き系のプラグインを併用する、という合わせ技も。
投稿では TIS さんの「ルックアップコピーフィールド検索プラグイン」、
Ribbit's works さんの「関連付けないルックアッププラグイン」が挙がっていました。
▶︎ 「正規化の考え方」から伝える(参考コメント)
初心者への説明の型として、こんな整理も寄せられていました。
- kintone は RDBMS(リレーショナルデータベース)ではないが、データベース的なプラットフォームである
- 厳密でなくても、正規化的な考えを基本とする
- よって、ユニークなコードを作成して管理する
さらに、会計システムなど他システムと共通のコードを使うことで、
社内での共通言語にしていくという工夫も。
▼ 関連する投稿(ルックアップのキー方針をめぐる議論)
https://kincom.cybozu.co.jp/chats/sfnqkjn03tfhw0ix
⬛︎ あわせてチェック📚
▶︎ レコード番号をユニークキーにしない(cybozu developer network)
「じゃあレコード番号でいいのでは?」と思ったときに読みたい記事です。
https://cybozu.dev/ja/id/2151b1e14daba30d495c8c38/#not-use-record-number
⬛︎ お悩み:マスタにない値が出てきて、結局手入力になってしまう
表記を統一したくてルックアップにしたのに、マスタに登録がないと入力できない。
結局「自由入力」となって、表記がバラバラになってしまう、という流れ。
▼ 元投稿はこちら
https://kincom.cybozu.co.jp/chats/v5fdbwatoxlr3ez1
⬛︎ キンコミで出ていた工夫
▶︎ 「ルックアップ」「自由入力」「最終表示」の3フィールドに分ける(参考コメント)
複数の投稿で出てきた方法です。
- A:ルックアップ(マスタにある場合)
- B:文字列1行(マスタにない場合の手入力)
- C:計算フィールド
IF(A="", B, A)
一覧や帳票には C を表示すれば、どちらのパターンも1つの項目として扱えます。
相談者さんも「これで実装できました」とご報告が✨️
同じ発想は、提出物名の管理のお悩みでも使われていました。
▼ 関連する投稿
https://kincom.cybozu.co.jp/chats/kgshsju3kxolm5vw
▶︎ マスタ側に「その他」を用意してしまう(参考コメント)
ルックアップのマスタに「その他」というレコードを1つ足しておくという、目からウロコのアイデア。
「その他」を選んだときだけ詳細入力用の文字列フィールドを表示させれば、
マスタを汚さずにイレギュラーを受け止められます。
相談者さんも「全然思いつきませんでした!」と即採用されていました。
▼ 関連する投稿
https://kincom.cybozu.co.jp/chats/ycec55dnsz5fljef
▶︎ 「登録してから使ってね」を導線にする(参考コメント)
そもそも論として、候補がないならルックアップする前にマスタへ登録してもらうという運用も。
ルックアップの近くにラベルフィールドを置き、マスタの新規登録画面へのリンクを貼っておく。
アプリアクションでマスタ登録画面に飛ばす、という案も寄せられていました。
⬛︎ お悩み:表記がブレてる。この"超マスタ"、どう直す?
数年使ってきた結果、あちこちのアプリからルックアップされている「超マスタ」に表記ブレが発生。
10アプリ × 平均1万レコード規模で、どこから手をつければ......というお悩みです。
▼ 元投稿はこちら
https://kincom.cybozu.co.jp/chats/dc8ie4yi5i2i0bbz
⬛︎ キンコミで出ていた工夫
▶︎ まず「どのアプリが参照しているか」を標準機能で洗い出す(参考コメント① / 参考コメント②)
マスタアプリの[設定]→[運用管理]→「このアプリを参照しているアプリ」から確認できます。
相談者さんはこの機能を知らず、実際に見てみたら参照アプリは40件あったとのこと。
「1件1件確認するのか」と思っていた作業が、最初の一歩でぐっと軽くなりました。
▶︎ マスタを直したあと、参照先は「書き出して、そのまま読み込む」(参考コメント)
ルックアップは、マスタを直しただけでは参照先が更新されません。
そこで、
STEP 1|マスタを正しい表記に修正する(コードは変えない)
STEP 2|参照先アプリから、レコード番号とキー項目だけを書き出す
STEP 3|中身を変えずに、そのまま読み込む
という手順で、参照先の値を最新化する方法が共有されていました。
無料の一括更新系プラグインや、マスタ変更に追従する有料プラグインを使う案も複数寄せられています。
▶︎ 正規表現で、一気に整える(参考コメント)
半角全角や空白のゆれなら、CSV を書き出して正規表現で一括置換したほうが早い、という経験談も。
「正規表現は難しそう」という声には、
生成AIに『こういうパターンにマッチする正規表現を』と訊いてしまえばよい
というアドバイスがついていました。
▶︎ 直したあとに「またブレる」を止める(参考コメント① / 参考コメント②)
掃除して終わりにしないための工夫も。
- 入力済みの値を候補表示してくれる入力補助・自動補完プラグインを入れる
- アプリ内にラベルフィールドを置いて、入力ルールを目立つ形で書いておく
「表記ゆれ変換プラグインで、お問い合わせフォームの『株式会社』『㈱』『(株)』を統一した」という
実践報告も、別の投稿で共有されていました。
▼ 関連する投稿
https://kincom.cybozu.co.jp/chats/ahent4fxqlkk750g
▶︎ そして、名寄せに魔法はない(参考コメント)
顧客マスタの名寄せについての投稿では、なかなかシビアな経験談が寄せられていました。
名寄せサービスを使っても、漢字とアルファベットの違いや社名変更で対象から外れてしまう。
結局は手作業のチェックが必要になる。
そのうえで挙がっていたのが、マスタデータは一定期間ごとの「棚卸し」が必須という運用の話。
会社マスタを「全社の情報資産」と定義し、営業部門も巻き込んで定期的に整備する体制にした、という実例です。
「設計」と「運用」は車の両輪というコメントも印象的でした。
▼ 関連する投稿
https://kincom.cybozu.co.jp/chats/i569up4bvyezgrnt
⬛︎ あわせてチェック📚
▶︎ kintone ルックアップの基本を学ぶ|便利に使おうガイドブック
ルックアップの設定を、あらためて基本から確認したいときに、ぜひご活用ください。
https://kintone.cybozu.co.jp/material/pdf/kintone_guidebook_vol04.pdf
いかがでしたか?
マスタの重複と表記ブレ、「入口で防ぐ」と「あとから直す」の両方の工夫が集まりました。
みなさんの「うちではこうしている!」も、ぜひキンコミで教えてください🙌🏻
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ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示いつの時代も変わらない普遍的なテーマもあれば、いろんなプラグインが出ている今なら解決できそうなものもありますね。
古い投稿を見返すことはあまりないのですが、とても勉強になります。
いつもありがとうございます!